阿比留 ひろみ
アートコーディネーター
Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。
—————— やりながら考えるのが一番おもしろい。
[p13 2行目]
Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。
私たちは自分たちにとって安住できる場所や、何もかも身を委ねることのできる場所を選択できるわけではない。誰もが学校や家庭を安心できる場所とすることはできない。社会を大局的に眺めたとき、「私はどこに居ればよいの?」と不安になることだってある。安心できる場所がないならば、私たちは声も上げられず、押し黙るしかなく、当然ながら社会との接点は遠ざかる。
ある社会人講座を受け持っていた時のエピソードがある。初回の授業で私は受講生に意見を求めた。彼らは一斉に下を向き、口を噤み、空気は一瞬で凍りついた。私は自分が当たり前のように意見を促した行為に潜む暴力性に愕然とした。みんなで共有する場とするための準備に、私はあまりにも無自覚だった。
今、社会人講座で出会った人たちと月に一度読書会を実施し対話を続けている。彼らとの関わりの中で、人が一人の人間として何かを考え意見を述べる為には、互いを受け入れ合うことが必要であることを痛切に感じている。私たちはお互いを受け止め合いながら、それぞれの日常に戻り、次の他者を受け入れていく。そこからまた次へ・・。社会を変えるってそんな小さなことからかもしれない。やりながら考えるのが一番おもしろい。
『言葉の宇宙船』にある芹沢さんの言葉に背中を押され、やってみました。小さいけど私たちにとっての大きな実験。ほんと!やってみるっておもしろい!
「100の読者、100の経験」の詳細はこちら
コメントをお書きください