高槻 真樹
SF評論・映画研究者
Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。
—————— 港|もう読んでも、読んでもわからない(笑)。ただ、それでも読み進めていくとだんだん想像力の島の風景-それこそデューンのような砂の砂漠-がだんだんと見えて来て、見えたらもう最後、完全に虜になっているというわけです。
[p51 5行目]
芹沢|でも、当然、ドライフードを水で捏ねても猫にはならない。要するに、クロノはクロノになり続けているんだと思ったんです。実体化し続けている。
[p58 1行目]
Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。
本を読むこと、わけてもフィクションを読むことは逃避だと思っている人もいるようですが、たぶん違う。見慣れないもの、理解できないものと出会うことが、新しい世界の発見につながり、視界が開けていく。だからこそ自分はSFを読み続けているんだろうと思います。日々「わからない」思いの連続ですが、それが世界を豊かにしてくれる。未確認飛行物体を目指す本書は、自分と同じ方向へ飛ぶ同志にも感じられました。
本書の趣旨にあたる部分で印象に残る箇所については、読書サイト「シミルボン」の紹介記事に書いてしまいました。
そこで、ここでは、SFファンとして純粋に心に刺さった言葉を引いてみました。
*シミルボン『言葉の宇宙船 わたしたちの本のつくり方』レビューページ
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